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 日本と台湾の家族の人生をつづった「トロッコ」が、22日から東京・シネスイッチ銀座などで公開される。新人の川口浩史監督が芥川龍之介の同名小説を下 敷きに、日台の歴史に及ぶ大きな物語を作り上げた。台湾の撮影監督リー・ピンビン(李屏賓)が緑濃い台湾の風景をカメラに収めているのも話題だ。

写真:川口浩史監督川口浩史監督

 台湾人の夫を亡くした夕美子(尾野真千子)が、幼い息子2人を連れ、夫の故郷、台湾東部の小さな村を訪れる。迎えた義父は、日本統治時代に日本のために 尽力した経験があった。義父母と夕美子は次第に親密になるが、それにつれ、義父の日本に対する複雑な思いが明らかになる。

 中学校の教科書で読んだ芥川の「トロッコ」を映画化しようと国内をロケハンしていた川口監督に、「台湾にはトロッコが残っているよ」と教えたのが李だった。2人は行定勲監督の「春の雪」の撮影現場で、助監督と撮影監督として知り合った。

 「それは見事なトロッコでしたが、森林の植生が日本とは違うので、台湾を舞台にしようと切り替えた。聞くと、日本人が建設したものだという。それで当時を知るお年寄りたちに話を聞き、台湾と日本の関係がモチーフになっていきました」と川口監督。

 李を始め、ホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督のチームがスタッフとして参加した。「侯監督が『自分たちは映画を撮るに当たり、日本の映画人にお世話に なった。あなたのことは知らないが、今度は私たちが日本人に返す番だ』と言って全面協力してくれたんです。僕たちも、台湾の若い世代に同じことを出来れば と思います」

 第2作「チョルラの詩」も6月12日に公開される。こちらはキム・ミンジュン、ソ・ドヨンを主演に韓国で撮った作品だ。(石飛徳樹)

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