阿妹茶樓

 

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 台湾のレトロが、ぎゅっと凝縮された町。それが九分。映画「千と千尋の神隠し」の舞台とも噂される、夕刻の光と薄闇が似合う町なのです。

  九分の家々は山にへばりつくように立っています。急斜面に寄り添うように並ぶ家々を縫うように走るのは、人がやっとすれ違えるほどの細い路地。観光客でに ぎわうメインストリートからちょっと横道に入ると、さきほどの喧騒が嘘のような静けさで、響くのは自分の足音だけ。ほんとうにここに人が住んでいるのだろ うかと、ふと不安になってしまうほど。

 

その昔、九分に暮らす人々はわずか9世帯で、道が通っていなかった頃、すべての物資は水路を使って運ばれていた。当時、なにかにつけ「9世帯分」(9人分と同じ音)の物資を調達していたため、その名がついたといわれる。

 

 元来、住人が100人にも満たない小さな村落だった九分ですが、19世紀末に金鉱が発見されると同時に、一攫千金を求める人々で人口は数万人に膨れ上がり、当時の台北にも劣らないと言われる歓楽地が出現しました。しかし、戦後日本人が去り、また金脈も尽きると、町にはまた静かさが戻ったのです。「アジアの金の都」、廃れていった。

 

 しかし、1989年、それまでタブー視されてきた二・二八事件を正面から取り上げ、台湾で空前のヒットとなった映画「悲情城市(A City of Sadness)/ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞」(侯孝賢監督)のロケ地となったことで九份は再び脚光を浴びるようになる。映画を通じノスタルジックな風景に魅せられた若者を中心に多数の人々が九份を訪れ、また他のメディアにも取り上げられるなど、台湾では90年代初頭に一時九份ブームが起こった。

 

2007年秋に林雅行監督・脚本のドキュメンタリー映画「風を聴く~台湾・九份物語~」が公開された。

同作のナレーションを担当する一青妙と挿入歌として楽曲「大家(ダージャー)」を提供とした歌手一青窈の父親は九份の元金鉱主であり、一青姉妹にとって九份は亡き父の故郷に当たる。「大家」は亡くなった父親への想いを歌った曲である。

 


そして90年代以降の懐古ブームを追い風に、レトロな雰囲気と、山と海を見渡せる美しい景色が評判の一大観光地に生まれ変わったのです。山道散策に疲れ足を休めたければ、九?ならではの茶屋に立 ち寄り、おいしいお茶を飲みながら、基隆沖の美しい海を眺めるのも一興である。

 

村の目抜き通りに当たる基山街は絶えず観光客でにぎわっている。この通り沿いには、九分名物の「芋円、蕃薯円」(タロ芋やさつまいもで作った団子) や現地ならではのB級グルメが味わえるほか、今も残されている文物も目にすることができ、歩いているだけでわくわくした気分にさせられる。また、ここでは 宿泊施設も完備されているため、時間が許すなら、自分好みの旅館を探し、美しい夜空や漁り火見物をゆっくり楽しんでいくのもおつなものである。

九份にはホテル(中国語で飯店、旅社)がなく、宿泊施設は主に民宿である。

現在、九份は世界の旅行ガイドブック(台北付近)にも多数紹介されており、今や台湾を代表する観光地のひとつとして定着した感がある。

  ゴールドラッシュの折には、立派な日本家屋や料亭、レンガ造りの中国式居酒屋、映画館などが所狭しと並ぶ一大歓楽地であった九分。過疎により再開発の手が 伸びなかったことがかえって効をなし、規模は縮小したものの、当時の建物が数多く残っています。時の流れを受けて、柱が真っ黒に変色した木造家屋や、緑色 の苔に覆われた石造りの洋館を改造し、さらにレトロムードを強調した茶芸館やカフェ、レストランが並ぶ様子には、古い映画のロケ現場にでも紛れ込んだよう な気分にさせられます。

 

  建物と建物の間隔が狭く影が多いこの町を歩いていると、明るい昼の太陽の下でも、どこか懐かしい寂しさを感じることがあります。日本風とも、中国風とも言 い切れない、無国籍風な町並みが、自分が今、どの時代のどこにいるのか、という確証をゆるがせてくれるのが、不安であり、また、なにか楽しい心持にさせて くれたりも。

 

 夕闇が町を包むにつれ、店先の赤い提灯にぽっ、ぽっと光が燈っていく様は、「千と千尋の神隠し」の一シーンのよう。美しいと同時に、過ぎ去った時間を思い出させてくれるような、そして、少し感傷的な気持ちにさせてくれる、九分は不思議な町なのです。

 

※台湾では九分の""には「にんべん(イ)」がつきます。

 

■九分てどこにあるの?エリアは?

 

台北市から東へ約30km。台北県瑞芳鎮の海を見下ろす山中にあります。

 

基山街と豎崎路を中心とした一帯にお店が集中しており、基山街が小吃ストリート、豎崎路が茶芸館ストリートと大まかに分けられ、ガイドブックなどに掲載されている"いかにも九分"な写真が撮影できるのは豎崎路です。

 

詳しくは九分すみずみマップをご覧ください。

 


Bigger Map of 台湾 九分

related link:

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『千と千尋の神隠し』舞台~台湾・九分

九フン - Wikipedia

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